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  • 2019.1.7
  • 投資関連

株式会社エネコートテクノロジーズへの投資について

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:室田 浩司)を無限責任組合員とするイノベーション京都2016 投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)は、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業である株式会社エネコートテクノロジーズ(本社:京都市左京区、代表取締役社長:川西 康義)に対する投資を実行いたしました。

○今回の投資の概要
エネコートテクノロジーズは、京都大学化学研究所複合基盤化学研究系の若宮淳志教授(分子集合解析研究領域)の研究成果を基に設立されたベンチャー企業で、次世代太陽電池の一種であるペロブスカイト太陽電池(PSC)の実用化に取り組んでいます。

現在、世界で使用されている太陽電池の大部分は発電層としてシリコン結晶を利用しています。シリコン結晶は、原料となるケイ砂から溶解、精製などの工程を経て製造されるため、大量のエネルギーを必要とします。一方、PSCは基盤となるフイルムに発電層や電子輸送層を塗布することで太陽電池としての基本構造を作り込むことが可能であり、製造コストの低減が期待できます。

次世代太陽電池としてはPSC以外にも有機薄膜太陽電池や色素増感太陽電池などの実用化が試みられてきましたが、発電効率や耐久性における課題を克服できず製品発売には至っていません。こうした中、PSCの発電効率はここ数年で急速に改善され、シリコン太陽電池と同等の20%を超える水準に達しています。その他、PSCには「薄型で軽量」「柔軟性があり曲面にも設置できる」「低照度でも発電可能」などの特長があり、次世代太陽電池の本命として実用化競争が激化しています。

こうした中、若宮教授らの研究グループは高い発電効率を再現性良く実現できるPSC原材料の開発などに成功しており、PSCの実用化に向けた研究開発において世界のトップグループに属しています。今後、エネコートテクノロジーズは若宮研究室の協力も得ながら、世界に先駆けてPSC 製品を発売することを目指します。まずはウェアラブル端末向けの小型製品を投入し、スマート街灯や自家発電、電気自動車などの用途に拡大していく計画です。

世界における太陽電池の市場規模は6 兆円を超える巨大なものとなっており、そのほとんどはシリコン太陽電池が占めています。PSC はこの巨大市場で、シリコン太陽電池と肩を並べる製品の1 つとなる可能性を秘めています。また、PSCは地球環境に配慮した製品であり、京都iCAP が重視するESG 投資及びSDGs 投資の方針に合致します。こうした点を評価し、当社はエネコートテクノロジーズへの2 億5000 万円の投資を決定し、このうち1億5000万円の投資を実行しました。残りの1億円については、あらかじめ設定したマイルストーンの達成後に実行いたします。

株式会社エネコートテクノロジーズ 概要

設立 2018年1月
事業内容 ペロブスカイト太陽電池及びその関連材料の製造・販売
本社所在地 京都市左京区
代表取締役 川西康義、加藤尚哉

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