- 2020.9.3
- 投資関連
トレジェムバイオファーマ株式会社への投資について
京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美 公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)は、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業であるトレジェムバイオファーマ株式会社(以下「トレジェム社」)(本社:京都市左京区、代表取締役:喜早 ほのか)に対する投資を実行いたしました。
○今回の投資の概要
トレジェム社は、歯の再生を促す新規医薬品を開発する歯科領域の創薬ベンチャーです。これまで京都大学大学院医学研究科口腔外科学分野の髙橋克准教授による長年の研究により、骨形成たんぱく質であるBMP 等の働きを阻害する分子USAG-1が歯の発生過程に関与し、USAG-1を抑制する中和抗体やsiRNA(small interfering RNA)によって無歯症モデル動物で欠損歯が歯槽骨と共に回復することを明らかにしました。一般的な歯の治療法である義歯やインプラントの人工歯に対し、化合物による自己歯の再生は根治的な治療法と成り得る可能性があり、トレジェム社は本研究で得られた中和抗体とsiRNAの化合物を新規医薬品として上市を目指します。
トレジェム社は先天性無歯症を最初の適応疾患として研究開発を進めています。先天性無歯症は患者が未成年で顎骨が発達期にあるため義歯やインプラントの適用が困難であり、成人するまで根治的な治療法の無い希少疾患です。現状は成人するまでの長期間を温存療法で耐えるしかなく、歯の欠損が栄養確保と成長に悪い影響を及ぼすため、根治的な治療法の開発が強く望まれています。そこでトレジェム社の開発物質により、先天性無歯症患者の自己歯を再生してQOLの改善を提供します。
さらにUSAG-1の中和抗体は永久歯の後の第三生歯を発生させることも期待されており、将来的には高齢者のオーラルフレイル(口腔内の虚弱)改善まで展開して歯科治療に広く貢献していきたいと考えています。
京都iCAPは、トレジェム社が自己歯を再生させる世界初の医薬品を開発して先天性無歯症に対して新たな治療法を提供し、また歯科治療に革新をもたらす可能性を高く評価し、同社に対して49,995,000円の投資を実行しました。
トレジェムバイオファーマ株式会社 概要
設立 | 2020年5月 |
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事業内容 | 歯の再生治療を目指す新規医薬品の研究開発 |
本社所在地 | 京都市左京区 |
代表取締役 | 喜早 ほのか |