- 2020.12.4
- 投資関連
クオリプス株式会社への追加投資について
京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2016 投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1 号ファンド」)は、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業であるクオリプス株式会社(以下、クオリプス)(本社:東京都中央区、代表取締役社長:草薙尊之)への追加投資を決定しました。
○投資の概要
クオリプスは、大阪大学医学部心臓血管外科発の再生医療ベンチャーであり、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した心筋シートの実用化に取り組んでいます。現在、重症心不全に対する有効な治療法は人工心臓など限られた手段しかありません。iPS細胞由来心筋シートを患者さんの心臓に移植することで、症状を改善する効果が期待されています。
再生医療の中でも心臓は競争の激しい分野ですが、澤教授らの研究グループは今年1 月、世界に先駆けてiPS細胞由来心筋シートの移植手術(医師主導治験)を実施するなど、実用化に向け競合プロジェクトの先を行っています。一方クオリプスは今年夏に、商業用の細胞培養加工施設を竣工しており、製品の製造・供給体制を構築済みです。大阪大学との共同研究開発により、2023年の薬事承認取得を目指しています。
クオリプスは京都大学とiPS細胞に関する基本特許のライセンス契約を締結する予定です。また、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)が構築した「iPS細胞ストック」から原料となる高品質のiPS細胞の供給を受けます。
京都iCAPは、初回投資(2018年7月)以降、iPS細胞由来心筋シートの実用化に向けた研究開発が順調に進捗している点や、京都大学の発明品であるiPS細胞の実用化促進に資する点などを高く評価し、クオリプスが実施する総額約20億円の第三者割当増資のうち3億円を引き受けることを決定しました。なおこの資金調達には、大幸薬品株式会社、朝日インテック株式会社、株式会社ステムセル研究所、ダイダン株式会社なども参加します。
クオリプス株式会社 概要
設立 | 2017年3月 |
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事業内容 | 新規心不全治療技術の開発 |
本社所在地 | 東京都中央区 |
代表取締役 | 草薙 尊之 |