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  • 2021.12.21
  • 投資関連

米Digestome Therapeutics社への新規投資について

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、 代表取締役:楠美 公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任 組合(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業であるDigestome Therapeutics社(以下「Digestome 社」、本社:米国カリフォルニア州、プレジデント:Ken Horne)への新規投資を実行しました。

○投資の概要
Digestome社は、京都大学農学研究科の大日向耕作准教授(食品健康科学講座)が新規に見出した化合物を医薬品として開発するために設立された創薬ベンチャーです。

大日向准教授はこれまでに、食品由来のたんぱく質分解物(ペプチド)に精神的ストレス緩和や食欲調節、記憶増強、血圧降下作用など様々な生理活性があることを明らかにしています。中でもDGX-001と名付けたペプチドには、強い抗うつ様作用があることを動物実験などで確認しました。

うつ病の患者は全世界で3億人以上いるとされており、今なお増え続けています。うつ病は若年層の自殺の主原因となるなど多大な損失をもたらしており、その治療技術の改善は社会的な課題となっています。うつ病の治療は主に薬物療法に依存していますが、既存の抗うつ薬には作用機序のバリエーションが乏しく、また副作用が比較的強いという欠点があります。そのため、患者の約3 割が既存の治療薬で十分な有効性を得られていないとい われています。

DGX-001は経口薬であり、既存の抗うつ薬とは全く異なる作用機序(迷走神経刺激)により抗うつ様作用を発揮すると考えられています。また、消化器官内から血中に移行しないため、副作用の大幅な低減が期待されています。

Digestome社は、DGX-001を含む複数の食物由来ペプチドを医薬品として開発するための独占的商業化権を京都大学から供与されています。まずはDGX-001の精神疾患治療薬としての薬事承認を米国で取得するべく事業を進めており、そのための資金として総額1,000万米ドルの調達に成功しました。

京都iCAPは、画期的な抗うつ薬の登場は全世界の人々にとって大きな福音となる点、京都大学が創製した化合物がグローバル市場で医薬品として開発されるのはこれが初めての事例である点などを評価し、Remiges Ventures、ANRIなどと協調して、100万米ドルを投資することとしました。

Digestome Therapeutics社 概要

設立 2017年12月
事業内容 抗うつ薬など精神神経領域の新規治療薬の開発
本社所在地 米国カリフォルニア州
代表取締役 Ken Horne

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