- 2022.1.31
- 投資関連
リジェネフロ株式会社への追加投資について
京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)は、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業であるリジェネフロ株式会社(本社:京都市左京区、代表取締役:石切山俊博)への追加投資を実行しました。
○投資の概要
リジェネフロは、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)増殖分化機構研究部門の長船健二教授の研究成果を基に、2019年9月に設立されたベンチャー企業です。長船教授は胎生期の腎前駆細胞の一種であるネフロン前駆細胞の存在を世界で初めて発見したのを皮切りに、iPS細胞からネフロン前駆細胞を高効率に作製する技術の確立などに成功してきました。
社会の高齢化とともに慢性腎臓病(CKD)に苦しむ患者さんは右肩上がりで増加しており、CKDの患者数は日本の成人人口の13%、約1,300万人に達しています。CKDの治療に有効な医薬品や治療技術は、深刻なドナー不足の問題を抱える腎移植を除いて、現時点ではほとんど存在せず、対症療法を施すしかありません。CKDが悪化すると人工透析が必要になりますが、人工透析の患者数も年々増加しており、その医療費は年間1兆5,000億円を超えています。CKDの症状を改善し人工透析患者を減らすための技術の開発は、社会的急務となっています。
長船教授が発明したiPS細胞由来ネフロン前駆細胞は、動物実験において腎障害を改善する効果を示しています。リジェネフロは今後、iPS細胞由来ネフロン前駆細胞を有効成分とする細胞医薬の実用化に取り組み、CKDを適応症とする承認取得を目指します。
京都iCAPは、京都大学から生まれたiPS細胞を活用して腎臓領域の難治性疾患の新規治療技術開発に挑戦するリジェネフロの将来性を高く評価し、第三者割当増資による総額13億9200万円の調達のうち2億5000万円を引き受けることとしました。
今回の調達には京都iCAP以外に、三菱UFJキャピタル株式会社、ジャフコ グループ株式会社、エムスリー株式会社、旭化成株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、株式会社ヘルスケア・イノベーション、株式会社島津製作所、京銀リース・キャピタル株式会社、中信ベンチャーキャピタル株式会社、DM Capital Ltd.、株式会社ヤム・オーバーシーズが参加しています。
リジェネフロは今回調達した資金を活用し、iPS細胞由来腎前駆細胞を用いた細胞療法の実用化に向けた非臨床試験用製剤の製造及びこれを用いた安全性試験を実施します。臨床試験の開始は2023年中を計画しています。
リジェネフロ株式会社 概要
設立 | 2019年9月 |
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事業内容 | 腎疾患治療薬の研究開発・生産・販売 |
本社所在地 | 京都市左京区 |
代表取締役 | 石切山 俊博 |