京都大学イノベーションキャピタル株式会社（以下「京都iCAP」）（本社：京都市左京区、代表取締役：楠美 公）を無限責任組合員とするイノベーション京都2016投資事業有限責任組合（以下「KYOTO-iCAP1 号ファンド」）は、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業である株式会社U-MAP（以下、U-MAP）（本社：名古屋市千種区、代表取締役：西谷 健治）に対する投資を実行いたしました。

○今回の投資の概要
U-MAPは、名古屋大学未来材料・システム研究所の宇治原徹教授が発明した窒化アルミニウムウィスカーの高効率大量合成技術を基に設立されたベンチャー企業です。京都大学工学研究科の藤田静雄教授及び木本恒暢教授とそれぞれ共同研究契約を締結し、パワー半導体モジュールにU-MAP 製品を用いることで放熱特性が向上することを明らかにしました。

エネルギーの電力化率の高まりに伴い、冷却にかかる消費電力の増加が、新たな社会課題となっています。U-MAPが開発する窒化アルミニウムウィスカーは、電気絶縁性のセラミクスでありながら金属アルミニウムと同程度の熱伝導度を持つ、耐久性と放熱性に優れた新素材です。さらに、他のセラミクスや樹脂、ゴム、接着剤、オイルなどへ少量を混合することにより、放熱特性と耐久性を備えた絶縁性の高い複合材料を作ることができます。これらは、様々な電気部品にて新たな放熱材料として活用されることが期待されます。

京都iCAPでは、集積回路やLED、自動車などの材料に対して放熱のニーズが存在しており、U-MAPの製品がSDGsへ貢献し得ることとその事業の発展性を評価し、総額約3.6億円の第三者割当増資のうち約1億円を引き受けることとしました。なお今回の増資には、合同会社リアルテックジャパン、中京油脂株式会社、有限会社伊藤、愛知キャピタル株式会社、グローバル・ブレイン株式会社も参画しています。今回の調達資金は、製品の研究開発と量産体制の構築に活用される予定です。

株式会社U-MAP 概要

設立	2016年12月
事業内容	窒化アルミニウムウィスカー材料及び関連製品の開発・製造・販売
本社所在地	名古屋市千種区
代表取締役	西谷 健治