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  • 2023.2.28
  • 投資関連

Link Therapeutics株式会社への追加投資について

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下、「京都 iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とする「イノベーション京都2021投資事業有限責任組合」(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、Link Therapeutics株式会社(以下、「Link Tx」)(本社:京都市左京区、代表取締役:阿部佳子)への第三者割当増資による追加投資を実行いたしました。

〇今回の投資の概要
Link Tx は、京都大学大学院医学研究科の塩川雅広助教(消化器内科学講座)らの研究成果を基に、京都iCAPの支援により2022年10月に設立されたバイオテク企業です。 Link Txは、自己抗体が原因となっている疾患の病態解明と自己抗体を標的とした治療方法の創出にかかる研究開発を進め、医療の発展と患者の健康へ貢献することを目的に設立されました。塩川助教らはこれまでに、潰瘍性大腸炎の患者にてインテグリンαvβ6 に対する自己抗体(抗インテグリンαvβ6抗体)が高発現している事を見出しました(Kuwada et al. 2021)。この抗インテグリンαvβ6 抗体は、大腸上皮細胞に発現するインテグリンαvβ6と結合組織の基底膜に発現するフィブロネクチンの結合を阻害し、大腸上皮に障害を与えることで潰瘍を形成する可能性が考えられました。現在、京都大学は、抗インテグリンαvβ6抗体が潰瘍性大腸炎の原因自己抗体であると考え、更なる研究を進めています。

Link Txは、今回、京都大学と抗インテグリンαvβ6抗体を含む自己抗体を標的とした新たな治療方法の創出を目指す事を目的とし、京都大学が有する特許権について実施許諾を受けています。京都iCAPは、Link Txの自己抗体を標的とした研究開発の方針が、未知病態の解明と新たな治療方法の創出につながるであろうことを期待し、1.5億円の追加投資を実行いたしました。尚、Link Txが実施した総額2.8億円の第三者割当増資には、京都iCAPに加え、三菱UFJ キャピタル株式会社とSMBCベンチャーキャピタル株式会社が参加いたしました。

引用文献:Takeshi Kuwada, Masahiro Shiokawa, Yuzo Kodama, Norimitsu Uza, Tsutomu Chiba. Hiroshi Seno, Identification of an Anti–Integrin αvβ6 Autoantibody in Patients With Ulcerative Colitis, VOLUME 160, ISSUE 7, P2383-2394.E21, JUNE 01, 2021

〇Link Therapeutics株式会社について

設立 2022年10月4日
事業内容 自己抗体を標的とした医療手段の創出、および自己抗体と関与する疾患とその標的自己抗体の探索
本社所在地 京都市左京区吉田本町36番地1
代表取締役 阿部 佳子

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