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  • 2023.12.20
  • 投資関連

株式会社Arktus Therapeuticsへの新規投資について

   京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とする「イノベーション京都2021投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)はこのたび、iPS細胞由来軟骨を利用した再生医療技術の実用化に取り組む株式会社Arktus Therapeutics(本社:京都市左京区、代表取締役:大岩智大)への新規投資を実行しました。

    Arktus社は、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)臨床応用研究部門の池谷真准教授、佐賀大学医学部附属再生医学研究センターの中山功一教授を創業研究者とするスタートアップです。池谷准教授と中山教授はこれまでに、「細胞のみで人工関節型インプラントを作製するための新たな治療法」に関する共同研究開発を実施してきました。

 このプロジェクトにおいて、池谷准教授はiPS細胞から高品質な間葉系幹細胞(MSC)を作製するための技術の開発を担当しています。また、中山教授は、iPS細胞から作製されたMSC(iMSC)を天然軟骨と同等の物性を有する軟骨細胞に分化させると共に、3Dプリンターにより大面積かつ自由に形状を設計できる軟骨細胞インプラントを作製する技術の開発を担当しています。

 Arktus社がまず実用化に取り組むのは、変形性膝関節症(OA)を対象とする新たな治療技術です。OAは様々な原因により膝軟骨がすり減っていく疾患で、症状が進行すると激しい痛みにより歩行が困難となります。国内だけでも約800万人の患者さんが存在するとされています。Arktus社が提供する治療技術では、患者さんそれぞれの損傷部位に合わせた軟骨細胞インプラントを作製し移植することで、OAの根本的な治療を期待できます。

 京都iCAPは、数年前から池谷准教授、中山教授と共にスタートアップ設立に向けた検討を行い、Arktus社代表取締役となった大岩氏を経営者候補として紹介するなど様々なサポートを提供してきました。また、京都大学は2年間にわたり、学内助成制度であるインキュベーションプログラムを通じて大型動物による動物実験などを支援し、それらの成果から起業が実現しました。

 Arktus社の軟骨細胞インプラント作製技術は、OAだけでなく半月板や靱帯の損傷、さらには膝以外の軟骨への応用も可能です。京都iCAPは、Arktus社が実用化を目指す製品群の新規性と成長性を高く評価しており、QBキャピタル合同会社、株式会社NCBベンチャーキャピタルが共同で運営するQB第二号投資事業有限責任組合、他1社と共に設立ラウンドにおいて出資を行いました。今回の出資に伴い、京都iCAPは社外取締役1名をArktusに派遣しハンズオンによる経営支援を開始します。

株式会社Arktus Therapeutics 概要
設立 2023年7月
事業内容 iPS細胞由来軟骨を利用した人工関節の開発
本社所在地 京都市左京区吉田本町36番地1
代表取締役 大岩 智大

○京都大学イノベーションキャピタル株式会社(京都iCAP)について
 京都iCAPは、京都大学 100%出資子会社として、京都大学を中心とした国立大学から生まれた研究成果を活用する企業を対象に投資やその他の事業支援を行っております。当社は現在、総額160億円のイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)(2016年1月設立)と総額181億円のKYOTO-iCAP2号ファンド(2021年1月設立)を運営しています。KYOTO-iCAP 1号ファンドの満期は最長20年、KYOTO-iCAP 2号ファンドの満期は最長17年に設定しており、基礎研究に強みを持つ京都大学の研究成果の実用化を長期にわたって支援することが可能となっています。また、KYOTO-iCAP 2号ファンドでは、一部資金を京都大学以外の国立大学発ベンチャーに投資することとしています。

【お問い合わせ先】
京都大学イノベーションキャピタル株式会社
〒606-8317 京都市左京区吉田本町36番地1
事業企画部長(広報担当) 河野修己
TEL:075-753-7588  FAX:075-753-7592
E-mail:info@kyoto-unicap.co.jp

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