- 2016.5.19
- 投資関連
株式会社AFIテクノロジー、株式会社京都創薬研究所、株式会社幹細胞&デバイス研究所への投資第一弾決定について
京都大学イノベーションキャピタル株式会社以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:樋口修司) を無限責任組合員とするイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)は、京都大学の研究成果を活用したベンチャー企業に対する投資第一弾として、株式会社AFIテクノロジー(以下「AFI」)に対する 投資を実行するとともに、株式会社京都創薬研究所(以下「KDDD」)及び株式会社幹細胞&デバイス研究所(以下「SCAD」)に対する投資を決定いたしました。
○株式会社AFIテクノロジー(AFIへの投資実行について
AFIは、京都大学医学研究科乳腺外科:戸井雅和教授)との共同研究において開発した基盤技術をもとに、細胞産業と微生物検査産業をターゲットに「電気計測とマイクロ流路技術」を用いて、ラベルフリーで迅速な細胞・微生物の分離・精製を行う機器・デバイスを開発・販売する企業です。
再生医療の産業化には、ラベルフリーでの目的細胞の迅速な分離が必要であるというAFIのビジョンは共感できるもので、AFIの技術が将来的に再生医療の産業化を後押しすることが期待できます。また、AFIのデバイスに対して、細胞を扱う多様な分野の研究者から関心が寄せられており、「大学発ベンチャーが大学の研究成果の事業化を試みることでさらにアカデミアでの研究が加速する」という好循環を生みだすことが期待できます。
京都iCAPではこれらを評価し、AFIの5月18日を払込期限とした総額2.5億円のシリーズA第三者割当増資に、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:松見芳男)、みなとキャピタル株式会社(本社:神戸市中央区、代表取締役社長:庵原敬吾)、みやこキャピタル株式会社(本社:京都市左京区、代表取締役社長:山口哲史)とともに応じ、リードインベスターとして1.4億円の投資を実行しました。
なお、官民イノベーションプログラム国立大学に対する出資事業により創設された、国立大学法人の子会社ベンチャーキャピタル同士が、同一の企業に対して協調して投資を実行したのは今回が初めてとなります。
株式会社AFIテクノロジー会社概要
設立 | 平成25年5月 |
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事業内容 | 電気計測とマイクロ流路技術を用いた細胞・微生物の分離・精製機器の開発・販売 |
本社所在地 | 京都市上京区 |
代表取締役 | 円城寺 隆治 |
○株式会社京都創薬研究所( KDDD への投資決定について
KDDDは、京都大学生命科学研究科(垣塚彰教授、京都大学医学研究科眼科学教室(吉村長久特命教授)および京都大学医学部附属病院臨床研究総合センター(池田華子准教授、元眼科学教室助教が開発した新規低分子化合物KUS剤を用いて、網膜中心動脈閉塞症、網膜色素変性症といった希少疾患に加え、緑内障等の眼難治疾患の新規治療薬を開発する企業です。
KUS剤は、細胞内ATPを消費する蛋白質(ATPase)の一つであるVCPのATP消費を抑えて細胞の変性・死滅を予防・抑制するという新規薬理作用を持ちます。動物実験において、網膜神経節細胞・視神経線維に保護的に作用し、緑内障の進行を抑制する効果があることが確認されました。緑内障は国内の視覚障害要因第1位の原因疾患で、現在は眼圧を下げることが唯一の治療法ですが、新しいメカニズムで薬効が期待できるKUS剤は、アンメットメディカルニーズを解決する新規治療薬として、さらには他の網膜疾患や眼科以外の様々な変性疾患などへの応用が期待できます。
京都 iCAP は、 KDDD の総額3.8億円の第三者割当増資に、みやこキャピタル株式会社(本社:京都市左京区、代表取締役社長:山口 哲史)、SMBCベンチャーキャピタル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:石橋 達史)および三菱UFJキャピタル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:安藤 啓)とともに応じ、リードインベスターとして2億円の投資を決定いたしました。
株式会社京都創薬研究所会社概要
設立 | 平成27年5月 |
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事業内容 | VCP調整薬を用いた眼難治疾患に対する新規治療薬の開発 |
本社所在地 | 京都市下京区 |
代表取締役 | 武蔵 国弘 |
○株式会社幹細胞&デバイス研究所( SCAD への投資決定について
SCADは京都大学物質‐細胞統合システム拠点(以下「iCeMS」) の中辻憲夫名誉教授(設立拠点長)他 が開発した、ヒトiPS細胞由来の心筋細胞を低コストで分化誘導する技術と、配向ナノファイバーを用いて心筋細胞を成熟化・安定化させる細胞培養技術を基にして、ドラッグスクリーニング用途向けのヒトiPS細胞由来心筋細胞デバイスを開発・販売する企業です。
細胞と物質を統合してイノベーションを創出するSCADのアプローチは、京都大学iCeMSの理念を体現するものです。また創薬プロセスの心毒性評価においてヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いることについて、日米欧を中心に国際標準化への議論が活発化しています。独自のアプローチ により高い機能性成熟性と安定性を持つ高品質な心筋細胞のグローバルな提供を目指すSCADは、ヒトiPS 細胞由来の細胞製品を本格的な産業応用へつなげる先導的な企業となることが期待されます。
京都iCAPは、SCADの総額2億円のシリーズA第三者割当増資に、SMBCベンチャーキャピタル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:石橋 達史 )および株式会社ケイエスピー(本社:神奈川県川崎市、代表取締役:内田裕久)とともに応じ、リードインベスターとして1.4億円の投資を決定いたしました。
株式会社幹細胞&デバイス研究所会社概要
設立 | 平成26年5月 |
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事業内容 | 心臓毒性スクリーニング用の細胞デバイスの開発・販売 |
本社所在地 | 京都市下京区 |
代表取締役 | 加藤 謙介 |