- 2024.10.30
- 投資関連
ライノフラックス株式会社への新規投資について
京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、京都大学発のエネルギースタートアップであるライノフラックス株式会社(本社:京都市左京区、代表取締役:間澤敦)に対する新規投資を実行いたしました。
○今回の投資の概要
ライノフラックスは、京都大学大学院工学研究科の蘆田隆一講師が発明した新規発電技術を基礎に、「発電するほどCO2排出を減らせる」発電装置の開発を行うエネルギースタートアップです。
多くの国が目標とする2050年カーボンニュートラルに向け、CO2排出の多くを占める発電部門においては、限られた資源を有効利用し使える原料を拡張し、かつ、安価でクリーンな発電を実現する革新的技術が求められています。このような状況下、蘆田講師は①従来は使えなかった湿潤バイオマスを発電原料として利用可能、②既存バイオマス発電対比で半分以下のコストで発電でき小規模でも効率維持、③CO2貯留・活用 (CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization & Storage) に向けたCO2の濃縮が不要という特長を有する「湿式ケミカルルーピング法」を発明し、この技術の社会実装を目指してライノフラックスが設立されました。これら特長から、飲料・食品業界など湿潤バイオマス残渣の発生する業界の企業群を初期のパートナーとして、事業を推進しています。ライノフラックスの発電装置により、発電をすればするほど大気からCO2が回収され、カーボンニュートラルな社会の実現への貢献が期待されます。
代表取締役CEOである間澤敦氏は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の大学発スタートアップにおける経営人材確保支援事業(MPM)の支援を受け京都iCAPが進めるEIR-iCAP (EIR:Entrepreneur in Residence、客員起業家)の第1期生であり、ライノフラックスは当プログラムにより創出された第1号企業です。また、京都大学の学内助成制度である「京都大学・三菱商事Startup Catapult」の第1期採択プログラムでもあります。
京都iCAPは、ライノフラックスがその革新的技術により気候変動の抑制に大きく貢献することを期待し、Beyond Next Ventures、Shimadzu Future Innovation Fundと協調し、総額約2億円の第三者割当増資のうち1億円の投資を行いました。
ライノフラックス株式会社 概要
設立 :2024年4月
事業内容 :バイオエネルギー炭素回収装置及び関連機器の設計・製造・販売・管理・運営
本社所在地:京都市左京区
代表取締役:間澤 敦(まざわ あつし)
HP: https://rhinoflux.com/
○京都大学イノベーションキャピタル株式会社(京都iCAP)について
京都iCAPは、京都大学 100%出資子会社として、京都大学を中心とした国立大学から生まれた研究成果を活用する企業を対象に投資やその他の事業支援を行っております。当社は現在、総額160億円のイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)(2016年1月設立)と総額181億円のKYOTO-iCAP2号ファンド(2021年1月設立)を運営しています。KYOTO-iCAP 1号ファンドの満期は最長20年、KYOTO-iCAP 2号ファンドの満期は最長17年に設定しており、基礎研究に強みを持つ京都大学の研究成果の実用化を長期にわたって支援することが可能となっています。また、KYOTO-iCAP 2号ファンドでは、一部資金を京都大学以外の国立大学発ベンチャーに投資することとしています。
【お問い合わせ先】
京都大学イノベーションキャピタル株式会社
〒606-8317 京都市左京区吉田本町36番地1
事業企画部長(広報担当) 河野修己
TEL:075-753-7588 FAX:075-753-7592
E-mail:info@kyoto-unicap.co.jp