- 2025.1.31
- 投資関連
遠友ファーマ株式会社への新規投資について
京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、国立大学の研究成果を活用するベンチャー企業である遠友ファーマ株式会社(本社:札幌市、代表取締役:安井忠良)に対する投資を実行いたしました。
今回の投資の概要
京都iCAPは、北海道大学大学院先端生命科学研究院の西村紳一郎教授が創業研究者として立ち上げたスタートアップ遠友ファーマに対し、シードラウンドとして2.0億円の投資枠を決定し実行いたしました。
遠友ファーマは、動的エピトープ理論と独創的な糖鎖工学を基盤に、医薬品抗体の研究開発を目指す企業です。同社は病態依存的に異常な糖鎖を検出し、それを認識する精密糖ペプチド認識抗体を創出する独自のプラットフォーム技術を有しています。このプラットフォームは、医薬品抗体の創薬標的の枯渇という課題を克服する可能性を秘めた画期的な技術です。
すでに同社は、複数の異常糖鎖を認識する医薬品抗体を取得しており、肝臓がんやすい臓がん、さらには自己免疫疾患への応用が期待されています。特に同社のリードパイプラインである肝臓がんステージ特異的抗体は、既存抗体とは異なる組織分布を示すことが確認されており新たな治療法として注目されています。この異常糖鎖認識抗体を用いた治療法は従来の医薬品抗体とは一線を画すものであり、正常細胞には結合しないため副作用が少なく、安全性の高い治療法として期待されています。
京都iCAPは、遠友ファーマが有する糖鎖解析技術や異常糖ペプチドを認識する抗体産生技術が医薬品抗体の開発における重要な課題を解決し、がんや自己免疫疾患に苦しむ患者に対し副作用の少ない安全な治療法を提供することで、患者負担の軽減や生活の質(QOL)の向上に寄与する可能性があると評価しています。
遠友ファーマ株式会社 概要
設立 :2019年12月
事業内容 :医薬品抗体の研究開発
本社所在地:北海道札幌市
代表取締役:安井 忠良
HP:https://enupharma.com/
京都大学イノベーションキャピタル株式会社について
京都iCAPは、京都大学 100%出資子会社として、京都大学を中心とした国立大学から生まれた研究成果を活用する企業を対象に投資やその他の事業支援を行っております。当社は現在、総額160億円のイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)(2016年1月設立)と総額181億円のKYOTO-iCAP2号ファンド(2021年1月設立)を運営しています。KYOTO-iCAP 1号ファンドの満期は最長20年、KYOTO-iCAP 2号ファンドの満期は最長17年に設定しており、基礎研究に強みを持つ京都大学の研究成果の実用化を長期にわたって支援することが可能となっています。また、KYOTO-iCAP 2号ファンドでは、一部資金を京都大学以外の国立大学発ベンチャーに投資することとしています。
【お問い合わせ先】
京都大学イノベーションキャピタル株式会社
〒606-8317 京都市左京区吉田本町36番地1
事業企画部長(広報担当) 河野修己
TEL:075-753-7588 FAX:075-753-7592
E-mail:info@kyoto-unicap.co.jp