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  • 2017.8.10
  • 投資関連

株式会社オリゴジェンへの投資実行について

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:室田 浩司)を無限責任組合員とするイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)は本日、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業である株式会社オリゴジェン(以下、オリゴジェン)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:城戸 常雄)に対する投資を実行いたしました。

○オリゴジェンへの投資実行について
オリゴジェンは、神経系疾患に対する新規治療法の研究開発を主力事業とするベンチャー企業です。同社の城戸社長は京都大学医学部出身の神経内科医であり、米国などでの研究活動の結果、新たな神経幹細胞を発見し「OligoGenie」と命名しました。

神経組織は、電気信号を伝える軸索とその回りを覆う絶縁性の髄鞘から構成されています。OligoGenieは、髄鞘を形成するのに必須な細胞であるオリゴデンドロサイトへの分化能が極めて高いという特徴を持っています。オリゴジェンは今後、このOligoGenieの特徴を活かし、神経組織の異常や損傷が原因となっている難治性疾患を標的とした、治療薬の実用化に取り組んで参ります。

オリゴジェンはまず、先天性大脳白質形成不全症の一種であるペリツェウス・メルツバッハ病(PMD)の治療薬開発を目指します。PMDは遺伝子の異常により髄鞘が正常に形成されないことが原因で、重度の精神運動発達遅滞をきたす疾患であり、ほとんどの患者さんは生涯にわたって寝たきりの生活を余儀なくされています。国内患者数は約230人と極めて少なく、現時点で有効な治療法は存在していません。

オリゴジェンはOligoGenieを有効成分とする細胞医薬について、PMDを適応症とする国内治験を2020年に開始することを計画しています。さらには、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症といった神経系の難治性疾患の治療薬の開発にも、事業を拡大していきます。

オリゴジェンは京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の藤淵航教授(増殖分化機構研究部門)と共同研究を実施しており、これまでに神経幹細胞の評価技術を確立するなどの研究成果を得ています。また、藤淵教授は、オリゴジェンの科学アドバイザーを務めています。オリゴジェンとCiRAは今後、iPS細胞からOligoGenieを作製することなどを目的とした共同研究開発も実施いたします。

京都iCAPは、難病で苦しむ患者さんに新規治療薬を届けたいというオリゴジェンの経営理念と新規神経幹細胞を見い出した研究開発力を高く評価し、総額1億1105万円の第三者割当増資に応じ、1995万円の投資を実行しました。なお、この第三者割当増資には、そーせいコーポレートベンチャーキャピタル株式会社、ニッセイ・キャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社も参加しています。

株式会社オリゴジェン 概要

設立 2015年8月
事業内容 神経疾患領域の新規治療薬開発
本社所在地 東京都千代田区
代表取締役 城戸 常雄

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